相次ぐ店舗の閉店で「シャッター通り」などと評され、活性化が課題になっている各地の商店街。こうした中、各店が百円の商品を出し合い「百円商店街」と銘打って客を呼び込み、賑(にぎ)わいを取り戻すユニークな試みが広がっている。松阪牛のコロッケやマッサージなど“百円ショップ”では実現が難しい商品も人気で、新たな活性化策として期待が集まる。(草下健夫)
◆会計は店内で
「果たしてお客さんは来てくれるのか不安でしたが、平日の昼というのにお祭りのように、すれ違いにくいほどの人出だった」
山形県の新庄・最上地域の活性化に取り組むNPO法人「AMP(アンプ)」の齋藤一成理事長は、平成16年7月に地元商店街で開いた第1回「新庄100円商店街」の様子をこう振り返る。
きっかけは、ウインドーに何年も同じ商品を並べた地元の店を目にしたAMPのスタッフが「ワゴンセールができないかな」と口にし、齋藤理事長が「百円などの均一にしては」と、話が膨らんだことだった。
商品を外に並べ会計は店内とすることで、客が店の品ぞろえを知ったり、店員と会話の機会を持ったりするなどの工夫を考え、成功。その後も定期的に開催し、商店街マップや目玉商品の入った折り込みチラシを手にした人でごった返す。
齋藤理事長は「物を置けば売れる時代ではないのに商店街は何十年前から変わっていない。大道芸などのイベントでお客さんを1カ所に集めても、店に来ないと売り上げにならない」と指摘。「百円商店街は仕組みが単純明快。お客さんが確実に店内に入り、いろいろな店を見て回り、コストもそんなにかからない」とメリットを挙げる。
◆店の温度差も
新庄の成功を知った全国各地の商店街関係者らが新庄を訪れるようになり、百円商店街は各地に広がった。AMPが把握しているだけで、少なくとも全国36カ所に上るという。
その1つで、昨年11月に初めて「北区百円市」を開いた東京都北区商店街連合会の実施商店街では、手のひらマッサージ5分や切り花、油揚げ2枚、松阪牛コロッケなどユニークな商品に注目が集まった。渡部修次事務局長は「新庄の例をそのまま北区に当てはめてよいかの議論はあったが、『継続して実施を』などまずまずの反響だった」。
ただ、「中には商店街の品が全品百円と誤解したお客さんもいた」という。
福井県敦賀市で「敦賀百縁笑店街」を過去7回開催している「敦賀あきんどくらぶ」の笹井伝裕(でんゆう)代表は「一生懸命な店とそうでない店の格差が既に出ている。主催者は機会を提供するが、あとは各店の努力と工夫次第」と課題を指摘する。
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■7割が衰退を懸念
中小企業庁が全国の商店街を対象に委託調査した「平成18年度商店街実態調査」からは、活気を取り戻せずにいる苦悩がうかがえる。
商店街の最近の景況については「衰退」と「衰退の恐れ」を合わせて70・3%に上り、「繁栄」と「上向きの兆し」を合わせた6・4%を大きく上回った。商店街の抱える問題(複数回答)は「魅力ある店舗が少ない」36・9%、「商店街活動への商業者の参加意識が薄い」33・4%、「経営者の高齢化などによる後継者難」31・4%、「店舗の老朽化、陳腐化」25・5%などが高率を占めた。
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